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具体と抽象

 心理学の授業では多くの理論とそれに基づいた技法を習い、トレーニングを受ける。下記の図のように個別の事例に共通すると考えられる特徴を抽出して仮説をたて、それを妥当性・信頼性の高い方法を用いて検証し、まとめて体系化することで理論ができあがっていく。

 

 

 このようにして具体的な事例から、抽象的な理論が作られるわけだが、理論を現場で実際に使うセラピストは、いったん上から下へ、抽象から具体へと降りて、自分の経験してきた事例を用いて再度理論を組み立て直すプロセスを経る。そうして上下の動き、具体と抽象、様々な理論と個別の事例を自由に行き来でき、柔軟に臨機応変に対応できるようにトレーニングを積み重ね、一人前の実践家になっていく。理論だけ知識として頭に入っていて、現実の事例への対応がイマイチな人は「理論屋」と呼ばれたりする。

 

 ここで問題となるのは、セラピスト自身の発達段階だ。オレンジ(段階4)以上の段階にならなければ上記のような操作はできない。それ以下の段階では上下の動きはなく、与えられたマニュアルに沿って技法を適用することになる。段階が低ければ低いほど、詳細なマニュアルが必要となる。

 

 また理論によっては高いレベルの発達段階にいなければわからない(身体化できない)レベルの内容を含むものがある。上下運動をしようとしても、上の到達レベルが高すぎて、セラピスト自身の高さが足りず届かない。自分の身の丈を知っていることは重要と思う。

Shima * セラピスト * 18:55 * - * - * pookmark
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